LAL-Dに関係する合併症

LAL-Dは肝臓、心血管系、脾臓、消化管など、生命維持に重要な多くの臓器に障害を起こします。実際に多くのLAL-Dの患者さんが、複数の臓器に合併症を発症しています。

肝臓

LAL-Dは進行性の疾患で、その多くが肝障害をきたします。時間が経つとともに、肝機能障害は肝臓の線維化および肝硬変へと進みます[1, 2]。
肝臓の線維化は瘢痕肝の最初の段階です。段階が進み、肝臓のさらに多くの部分が瘢痕化すると、肝硬変と呼ばれる状態になります。

心血管系

多くのLAL-D患者さんは、「悪玉」コレステロール(LDLまたは低密度リポたんぱく質コレステロール)の量が多く、「善玉」コレステロール(HDLまたは高密度リポたんぱく質コレステロール)の量が少ないため、早発性アテローム性動脈硬化(動脈が硬くなる状態)、心臓発作、脳卒中を起こす可能性があります[1,2]。

脾臓

また、多くのLAL-D患者さんが脾腫(脾腫大)にも罹患します[1,2]。この疾患は、赤血球の減少による貧血、白血球の減少による感染症のリスクの上昇、および出血につながる可能性があります。

脾臓消化管

LAL-Dに起因する進行性の消化器不全には、腹痛、吸収不良、胆嚢障害、出血、下痢などがあり、重篤な合併症を引き起こす可能性があります[1,2]。

参考資料
1. Reiner Ž, Guardamagna O, Nair D, et al. Lysosomal acid lipase deficiency — an under-recognized cause of dyslipidaemia and liver dysfunction. Atherosclerosis. 2014;235(1):21-30.
2. Jones SA, Valayannopoulos V, Schneider E, et al. Rapid progression and mortality of lysosomal acid lipase deficiency presenting in infants. Genet Med. 2016;18(3):452-8.