薬物の乱用

ここに掲載されている情報は、専門家による医療的支援の代わりとなるものではありません。薬物の乱用で悩んでいる方は、専門の医師にご相談ください。

薬物の乱用または悪用とは、ヘロインやコカインなど違法薬物の使用、あるいはアンフェタミンやオピオイド鎮痛薬など合法薬物の乱用を指します。薬物を乱用している場合、乱用行動を変えたり、薬物の使用をすべてやめることは可能です。しかし、ひとたび薬物を使い始めると、やめるのが非常に難しい場合もあります。

薬物依存または薬物中毒とは、薬物の使用がどれほど大きな身体的、精神的問題、感情面や金銭的な問題を招くものであっても、薬物を使うのをやめられず、薬物を使いたいという欲求を抑えられなくなる状態を指します[1]。薬物中毒は脳と行動に影響を与える病気です。

薬物は時間の経過とともに脳の働きを変化させ、薬物を継続的に必要としたり、強く渇望したり、自制心を失ったりして、やがて依存行動に至ります [1]。依存は、違法薬物でも合法薬物でもどちらでも起こり得ます[1.2]。

薬物の乱用による悪影響

合法薬物の乱用または違法薬物の使用は、体に深刻な障害をもたらす可能性があり、死に至る場合もあります。以下に、有害な影響の例を挙げます[3]。
• 呼吸の低下
• 血液中の二酸化炭素濃度の上昇(呼吸性アシドーシス)
• 損傷した骨格筋の急速な破壊(横紋筋融解症)
• 腎不全
• 肝障害
• 体温の上昇(高体温)
• ひきつけ(痙攣)またはてんかん
• 心臓発作(心筋梗塞)

薬物乱用や薬物中毒は身体へ重篤な障害をもたらすだけでなく、精神的、情緒的にも深刻な影響を及ぼします。全ての人が、薬物の悪用や乱用を避けるべきです。

LAL-Dと薬物の両方が肝臓と心臓に悪影響を与える可能性があるため、LAL-D患者さんは、特に、薬物の悪用・乱用を避けることが大切です。薬物の悪用・乱用は、LAL-Dによる肝臓と心臓の損傷リスクを高めることになります。

参考資料
1. WebMD. What is drug addiction? https://www.webmd.com/mentalhealth/addiction/drug-abuse-addiction#1.
2. Mandal A. What is drug abuse? https://www.news-medical.net/health/What-is-Drug-Abuse.aspx.
3. Henry JA. Metabolic consequences of drug misuse. Br J Anaesth 2000;85:136–42.