低脂質食とは？
低脂質食とは、脂質の多い食品の摂取を制限する食事法です。LAL-D患者さんにとって、健康に良くない飽和脂肪酸を含む食品（例：菓子パン、ビスケット、調理済み食品、ファストフード、ハム類、赤身肉）は避け、健康に良い不飽和脂肪酸を含む食品（例：油脂、オリーブ、アボカド、ドライフルーツ／ナッツ類、脂の多い魚）も多く摂りすぎないよう注意する必要があります。
飽和脂肪の少ない健康的な食事では、全粒穀物の食品、野菜、果物、魚を中心とすることに重点を置きましょう[1]。健康的な食生活を送るための１つの方法として、プレートメソッドがあります。
低脂質食を続ける際のポイントを以下に挙げます。
• 新鮮な果物と野菜をたくさん食べましょう。これらの食品は、脂質が少なく、ビタミンやミネラルを多く含んでいます。また、これらの食品は、食物繊維も豊富なのでコレステロールを下げる効果があります。
• 旬の果物と野菜を食べるようにしましょう。果物と野菜であれば、どんな種類のものでも食べられます。ただし、アボカド、オリーブ、ココナッツは脂質が多いので避けてください。
• 豆類を食事に取り入れましょう。豆類は脂質を減らす優れた食品です。さまざまな料理に使えるだけでなく、食物繊維、たんぱく質、ビタミン、ミネラルも豊富に含んでいます。
• 全粒粉のシリアルを選びましょう。全粒粉のシリアルには食物繊維が多く含まれているので、1日中エネルギーレベルを高く保ち、血中脂質をコントロールします。
• 肉と魚は重要なたんぱく源です。赤身肉や加工肉は飽和脂肪が多いので、白身魚や鶏、七面鳥、ウサギ肉を食べるようにしましょう。調理する前に、肉から皮と脂身を取り除いてください。
• 加工肉は一般的に脂質が多いので避けましょう。ハンバーガーやミートボールが食べたいときは、脂身のない肉を使って自分で挽肉を作ると、売っている挽肉を使うより脂質を減らすことができます。
• 卵は週に2、3回なら食べても構いません。ただし、スクランブルエッグ、ベイクドエッグ、ゆで卵、オムレツにして、フライドエッグは避けてください。
• 低脂肪の乳製品を選びましょう。
• 飲み物は水にしましょう。
• 加工食品は避けてください（例：ソフトドリンク、菓子パン、お菓子、ビスケット、ソース、調理済み食品）。加工食品は脂質と糖質が多く、血中コレステロール値を上昇させるトランス脂肪酸を含んでいることがあります。
• 食材の調理方法も重要です。油を使わない調理は難しくありません。揚げたりローストしたりする代わりに、焼く、電子レンジを使う、オーブングリルで焼く、蒸す、弱火で煮る、ソテーするなど、さまざまな健康に良い調理法があります。
ソテーする（野菜、肉、豆類、魚）
• フライパンに野菜のスープストックを注いで加熱します
• スープストックが沸騰し始めたら野菜を入れます
• 必要に応じて、蓋をします
• 野菜を歯ごたえが残るくらいの状態になるまで調理します
蒸す（野菜、豆類、魚）
• 蒸し器の底に水を3cmほど注ぎ、沸騰させます
• 食材を入れます
• 蒸し器の蓋をして調理します
弱火で煮る（野菜、魚）
• フライパンに水を3cmほど注ぎます
• 野菜を入れて、5分ほど調理します
• 魚の切り身を野菜の上に置き、蓋をします
• 魚に火が完全に通るまで調理します
オーブングリルで焼く（野菜、肉、魚）
• ステンレス製のフライパンを高温に熱したオーブングリルの中に入れます
• 10分ほど経ってフライパンが熱くなったら、肉や魚を加えて調理します
バーベキューにする（野菜、肉、魚）
• バーベキューグリルに食材を乗せて、きちんと火を通します
• 脂質の入っていないソースやスパイス、ハーブでマリネにすると、食材の味が引き立ちます
参考資料
1. Mach F, Baigent C, Catapano AL, et al. 2019 ESC/EAS Guidelines for the management of dyslipidaemias: lipid modification to reduce cardiovascular risk. Eur Heart J. 2020;41:111–88.
セリア・ロドリゲス・ボルハバッド氏
監修：セリア・ロドリゲス・ボルハバッド氏（管理栄養士、ルビーラ・イ・ビルジーリ大学。サン・ジョアン大学病院。 血管内科・代謝部門、IISPV、CIBERDEM（レウス（スペイン））
