小児LAL-D患者さん向けの食事

小児のLAL-D患者さんは、他の子どもと同じように、健康的でバランスの良い食事が必要です。1つ違うことは、食事の脂質を減らさなくてはならないという点です。低脂質食では、体に良い脂質(オリーブオイル、オリーブ、アボカド、脂の多い魚、ドライフルーツ)を少なくし、さらにLAL-D患者さんにとって体に悪い脂質(菓子パン、クッキー類、加工肉やハム・ソーセージ類)を避けることを考慮する必要があります。

必要なカロリーを摂取できるよう、以下のように食事を組み立てるとよいでしょう。
• 朝食
• 午前中のおやつ
• 昼食
• 午後のおやつ
• 夕食

朝食

• 朝食は乳製品、全粒粉のシリアル、果物ひと切れのメニューにするとよいでしょう。
• 乳製品:牛乳、ヨーグルト、フレッシュチーズや低脂肪チーズ、無糖の代替ミルク。脱脂乳製品を使うと、食事の脂質含有量を簡単に抑えられます。
• シリアル:無糖の朝食用シリアル、オートミール、パン、トーストなど。全粒粉の製品を選ぶと良いでしょう。
• 果物:なるべく旬の果物を選びましょう。

自宅で朝食を摂る場合

• 全粒粉シリアルと牛乳
• ヨーグルトと果物
• ヨーグルトと種子類
• フレッシュチーズとトマトを使ったサンドイッチ
• オーツミルクを使ったイチゴとバナナのスムージー
• 全粒粉グリッシーニとキウイフルーツ

学校で朝食を摂る場合

• ヨーグルトとベリー類
• フムスサンドイッチ
• カッテージチーズとイチゴを添えたトースト
• 自家製オートミールとバナナのクッキー2枚
• 果物の盛り合わせとダークチョコレート
• コーンケーキ、七面鳥のむね肉1切れ、ミカン1個

昼食

昼食には、健康的な食事を簡単にするために、プレートメソッドを応用します。このメソッドでは、ひと皿を3つの部分に分けます(写真を参照)。
• 野菜:50%
• 複合糖質:25%(全粒粉パスタ、玄米、全粒粉パン、ジャガイモ、サツマイモ、キヌア、トウモロコシ、豆類)
• 低脂質のたんぱく質:25%(魚介類、卵、鶏肉、または植物性たんぱく質)

飲み物は水にして、デザートはできれば果物にしましょう。

 

午後のおやつ

おやつは軽めにし、ジュースや菓子パンは避けましょう(これはLAL-D患者さんだけでなく、すべての人に対して推奨します)。乳製品、コーンケーキ、果物、野菜(ニンジンやキュウリのスティック、プチトマトなど)が良いでしょう。

 

夕食

夕食にもプレートメソッドを応用します。ただし、もっと軽い食品を選びましょう。飲み物は水にして、デザートは果物にします。

子どもたちが脂質が多く栄養価の低い食品を食べないようにするには、こうした食品を買わないことが一番です。自宅になければ、小さな子どもや10代の子が高脂質・低栄養価の食品を食べてしまうことはありません。子どもたちが誘惑に負けないようにするためには、日々の買い物リストが鍵を握ります。

また、小さな子どもや10代の子が、自分たちの食事にもっと気をつけるように意識を向けさせましょう。栄養に対する理解を深めることで、食事内容の適切な管理につながります。さらに、小さな子どもや10代の子が食品を選ぶ際に自分で責任が持てるようになります。

そのためには、料理のお手伝いをしてもらい、食欲をそそるレシピ選びをしてもらうことはどうでしょうか。食事を健康的なものに変える簡単なコツがあります。その一つは、プレートメソッドを使って食事内容の比率を変更することです。

もう一つの簡単なコツは、脂質分を減らす調理法に変えることです。たとえば子どもにケーキが食べたいと言われたら、脂質の少ない材料を使ったヘルシーなケーキを自宅で簡単に作ることが出来ます。普通の材料の代わりとなる体に良い食品は、必ず見つかります。

楽しむコツは、子どもと一緒にチャレンジすることです。ヘルシーなレシピ探しは、家族みんなで楽しめます。

低脂質食で問題となるのは、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の欠乏です。しかし、これはいつも起きるわけではありません。脂溶性ビタミンレベルをモニターするために、医療従事者に相談することが大切です。

健康的な食事と健康的な生活習慣(よく眠る、運動する、他の人と交流する)を両立させることは、健全な成長のためにとても重要です。

セリア・ロドリゲス・ボルハバッド氏
セリア・ロドリゲス・ボルハバッド氏

監修:セリア・ロドリゲス・ボルハバッド氏(管理栄養士、ルビーラ・イ・ビルジーリ大学。サン・ジョアン大学病院。 血管内科・代謝部門、IISPV、CIBERDEM(レウス(スペイン))